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これは戸田和幸が以前所属していた事務所のホームページに記載されていたコラムです。海外でプレーしていた当時の戸田和幸の気持ちが書かれています。今現在の戸田と照らし合わせながら読んでいただければと思います。
過去のコラムのため更新はありません。
自分の力を見せ付けるための勝負が再び始まります

2003/10/14
随分と久しぶりのメールになりますが皆さんは元気にお過ごしでしょうか?僕の方は先週やっとリザーブの試合にも復帰し、いよいよここから自分の力を見せ付けるための勝負が再び始まります。
8月の1日に脹脛(ふくらはぎ)を怪我してから復帰するまでに7週間もかかってしまいました。リーグ開幕前の一番最後の追い込みの時期に怪我してしまったことはそれまでとても上手く、 プレシーズンを送っていた僕にとってはとてもがっかりする出来事でした。しかし起きてしまったことは仕方がないですから頭をすぐに切り替えて、より良い状態で復帰できることだけを考えて日々を過ごしてきました。しかしながら、さすがに長かったですね。治療でドイツに5回も行きましたし、途中で怪我が悪化してしまったりと色んなことがありましたから。いくらプレシーズンでいいプレイを見せていたにしても、シーズンはすでに始まり、チームはどんどん動いていきます。自分が出なければ、必ず他の誰かが試合に出ますし、そういった中でまた評価も変わってくるでしょう。焦る気持ちと自分の置かれている状況に集中しなくてはという気持ち、自分を信じる気持ちがぐるぐると、うごめく中でリハビリに打ち込みました。
そうしてやっと練習に復帰することができたのが、9月の半ば過ぎでした。「本当に長かったなぁ」という気持ちがとても強かった気がしますし、一日でも早く自分のフォームを取り戻すことに神経を集中させて、今日までやってきています。
先週のリザーブの試合には60分出ました。最高ではもちろんありませんが、フィジカル面もゲームのテンポという意味でも遅れを感じることも全くありませんでした。内容としても要所要所で自分らしいプレイも見せられ、悪くない復帰戦だったと思っています。ディフェンス面では「ボールのきそうな場所への予測」・「ボール保持者への寄せ」・「球際での競り合い」や「タックル」などゲームの流れに遅れているとできないプレイもしっかりできました。またこぼれ球が自分のところに多くきたということは、ポジショニングに間違いがない証拠でもあるので良かったと思います。欲を言えばもう少し動きにシャープさが欲しかったですが、これはトレーニングの中で向上していくことができるので次の試合に期待しています。
ディフェンスの話ばかりになっていますが攻撃面では、奪ったボールをうまくフォワードにつなげることもできました。またサイドを変えたり、ある程度のリズムは作れたとは思います。しかし、もちろん味方との連携(これがリザーブでは殆どと言っていいほど皆無)によりますが、「もっとボールを受け」、「リズムを作り」そして「シュートまでいく」ようなプレイをしたいです。周りの判断の遅さを自分のプレイで早くさせるくらいの積極的なプレイを自分に要求しています。
一日でも早くトップの試合で思いっきり暴れるために、今はとにかく自分の全てを出し切って見せ付けていかなければなりません。残されている時間との闘いにもなりますが、時間はあると思えばあるものです。出来ることは全てやる悔いなく時間を過ごすことができれば、必ず何かが起こると信じています。
さて話は変わりますが今週日本代表がこちらで2試合親善試合を行います。この試合に向けて僕も招集の話を受けましたが、自分の状態を考え、辞退させてもらいました。怪我から復帰したばかりで実戦といえば2ヶ月していない中でいきなり国際試合というのはあまりにも急であり、またリスクが高いということで僕から断りを入れさせてもらいました。第一、僕はまだしっかりと自分のプレイを見せれていなく代表というものはそんなに簡単なものではなく、また誇り高いものでもあるのです。もちろんそんな中でも、という考え方もあるのでしょうが、僕は自分がそれに値するものを見せれていない今の状況では胸を張ってユニフォームに袖を通すことは出来ないと判断しました。
日本協会の方も当初は僕の怪我の状況、トレーニングの状況を把握しきれていなかったので話し合いの結果、理解を得ることが出来辞退という形になりました。自分が死にもの狂いでこれからも頑張っていけば、いつか必ずまたあのシャツを着る日がやってくるでしょう。それまではまたしばらくお別れということになります。
最後にこれはプライベートなことで基本的には僕はそういうことは話さない人間ですが、今回はあまりにも素晴らしすぎる出来事だったために応援してくれているみなさんにお伝えしようと決めました。先月の26日になんと息子が誕生しました。今まで生きてきて色んな感情を持ちましたが、これに勝るものはありません。異国の地で不安な中、出産をすると決断してくれた強い妻に感謝すると共に新たな命が生まれてきた感動、父親になるという喜びと責任色んなものに包まれました。自分が父親になるなんてびっくりで、抱いていてもお風呂に入れていても未だに不思議な感覚に包まれますが、この子にとって唯一無二の存在である自分がどれだけいい見本になれるか、また超えがたい壁としてこの子の前に立つことができるかという更なる努力をし続けなければなりません。今はとにかく可愛がってやることと心から祝福し、これから共に頑張っていこうと語りかけています。ちなみに名前は「凛太郎」といいます、元々は妻の陽子のアイデアですが凛という字には、「強く勇ましい」という意味を持っていて、僕もとても気に入ったので決めました。これから生き行く中で色んなことがあるでしょうが、どうか負けることなく一つ一つ乗り越えて逞しい立派な男に育って欲しいと願っています。
ということで久しぶりのメールを終えますが、これからまた事あるごとに近況を報告していこうと思っていますのでどうぞよろしく。
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