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これは戸田和幸が以前所属していた事務所のホームページに記載されていたコラムです。海外でプレーしていた当時の戸田和幸の気持ちが書かれています。今現在の戸田と照らし合わせながら読んでいただければと思います。
過去のコラムのため更新はありません。
ご無沙汰しいています

2004/03/22
前回に引き続きまたしても大幅に間が開いたメールになってしまいました。移籍をしてから今日まで忙しく毎日を送ってきたということで、どうかご容赦下さい。
ここに来たのが1月の末なのであっという間に一月以上が過ぎました。その前の昨年末から難しい時期が続いていましたが、今こうしてまたサッカーに打ち込み試合が出来るというこの生活は他に変えようのないものです。
「海外でプレイをする」。これはきっとサッカーをしている殆どの日本人選手が持つ大きな目標でしょう。例に漏れず僕もずっとその気持ちでやってきました。
あのワールドカップが終わり、その後僕はイギリスのトットナムに移籍することができました。そこでは実にたくさんのことを学びました。外国人としてそこでプレイすることの素晴らしさと難しさ、言葉も含めた海外で生活するということの大変さ、そしてプレイにおいては圧倒的にゲームの展開が早く、身体的にも強くて、しかも技術的にも高い中でいかにしてプレイするのか、ということを嫌と言うほど考え、取り組んできました。
結果としては、結果を残すことができず一年でチームを離れなければならなくなりましたが、自分の中にあった「変わりつつある自分」をもう一度同じヨーロッパ
で試してみたいと思っていました。どこにいてもサッカーは出来ますし、もちろんJリーグという選択肢もきちんと持っていました。Jリーグのレベルが低いとは正直思わないし、こと組織だったプレイに関しては日本の方がよっぽど優れているのでは?とも思います。環境面もしくは医療・トレーニングについても日本の方がよっぽど優れていると思います。
それでも僕がここに残りたいと思い残った理由は、そういうものがあったとしてもここが「本場」であり「本物」がいる場所だからです。そして、ここでいいプレイをすることで無限に可能性が開けていくという現実があるからです。
但しプロである以上試合に出なければ何にもなりません。それはイギリスにいるときも十分感じていました。結局試合に出てプレイをしない限り何も起こらないし、得るものもずっと少なくなってしまいますから。まあそれでももう一度勝負したいという気持ちがどうしても強かったのでテストも受け今こうしてデン・ハーグでプレイをしています。
ひとえに「サッカー」といっても国が違えばスタイルはかなり変わるもので、そういったことも含めて海外でのプレイ、というものは難しさも含んだものであると思います。
イギリスにいた時はとにかく常に「前」を意識させられ、なるべく時間をかけずにゴールまでたどり着くことを要求されました。「常に前」という意識は僕には足りなかったことだったので、それをするために必要なこと全てをとにかく練習しました。
体の向きによる視野の確保、判断の早さ、速いタッチでのコントロール等、それらをあのとてつもなく早いテンポとプレッシャーの中でやるということは簡単ではなかったですがやはり、人間しっかりとやっていれば慣れてくるもので半年過ぎる頃にはだいぶ様になり怪我をする前もした後も自分のイメージどおりのプレイが出せるようになっていました。
イギリスに行かなければこんなこともきっと身につかなかったでしょう。日本にいた時から自分の中には同じイメージ・課題を持っていましたが、実際にその場に行かないと感じることができないですから同じ進歩はなかったでしょう。ましてや相手は体が大きくて、恐ろしくスピードがある黒人だったりするわけで体のサイズ一つとってもそれは日本に居ては感じることが出来ないものでした。
同じサッカーといってもやっぱり違うものです。そして出来ることなら「本場」に身をおいて自分を表現したかった。環境は恐ろしいくらいに人を作り変えるものでしょうし、同じ強い気持ちがあったら厳しいところでやった方が絶対に伸びます。しかしヨーロッパで一度失敗した日本人ですから、いいオファーが来るわけはありませんでした。テストでも何でもいいからチームを見つけようと必死に闘っていました。
そして運良く話しをもらえたのがアド・デンハーグであり、一断りをいれたにも関わらず再度受け入れてもらえたことにはとても感謝をしています。
以前のメールに書いてしまいましたが家族にもとても大きな負担をかけてしまい頭が上がりませんが今こうして思い切って毎日やれているのも妻の理解なしではなりたたないものですからとても感謝しています。子供が小さなため今は離れて暮らしていますが自分の頑張りが周りを納得させ結局は「やってよかった」ということに繋がることなので後は僕がやるのみです。
ここに来てからすでに9試合プレイしました。ポジションは4−3−3の右の中盤です。慣れないシステムに慣れないポジションで結果を残す、しかも半年で。というなかなか
の条件ですが選手がポジションを選べる、と言うことはそうないことでしょうから今おかれている場所から始めていき、最後には自分が思い描くプレイができればいいですね。
公式な記録に残るもので言えば1アシストということになります。チームの闘い方の中でいかに自分自身を100%に近い形で表現するか、これがテーマです。
テレビで試合をご覧になった方は気づいているかもしれませんが、基本的にとってもディフェンシブにプレイするチームです。これは順位とも関係しているのかもしれませんし(自信という意味で)これがスタイルなのかもしれませんが、とにかくまず引いて守ってカウンターというのが基本路線のようです。
正直に言うと日本にいるときもイギリスにいるときもそうやってプレイしたことが僕にはないので「こんなに引いてしまったら・・」という思いは未だに残っています。
そしてこれは批判ではなく実際の感想なのですが、引いて守る、というのは要はスペースを消し狭くした状態で守るということでしょうし、相手が入ってきたらそれこそ襲い掛かって、その狭めた「距離」を利用して相手に自由にさせないという戦略ではないかと個人的には思っています。
しかし我々のチームにおいては引いた位置から「仕掛ける」タイミングがなかなか上手く作れず、時にボールサイドのマーキングが疎かになる傾向があります。そして中盤は基本的に3対3なので、対面の選手との対決になるのですが往々にして相手のサイドバックがフリーで我々陣地に入り込んできてしまうことがあり、必然的に僕は「2人」マークしなくてはならなくなります。
これはなんでか?というと相手のサイドバックはこちらのウイングがみることになっているのですが我々の右のウイングは攻めの切り札的存在のカステレンという選手で(来季からフェイエノールトに移籍)彼は常に攻撃において重要な役割を担いその分負担も大きいのでどうしても守備までやりきれないということからです。
ですからどうしても相手の左サイドバックがフリーであがってくるので僕は自分のマークする選手をフリーにさせないようになんとか「ぼかし」ながらそとまでケアすることになっています。時に相手のセンターバックまでもがフリーで持ち上がってハーフラインを超えてくることもあるので、自分のマークだけ見てたらそのままゴールまで行かれてしまうのでどうしても「ぼかし」ながら守るしか今は方法がありません。
そしてもう一つディフェンスラインについてですが、4人がラインになっているので、いわゆるサイドバックの「つるべ」の動きというやつですか?あれが今のうちにはないのです。
ですから4−3−3の相手のウイングがフリーになることも多いのです。となると一体何人見ればいいんだ?ということになりますが、前からプレッシャーをかけるということがどうしても難しい状況というか闘い方ではあります。
チームのやりかたですからもちろん尊重はしなくてはなりませんが、あまりに難しくまた負担が大きいので質問したり選手と話をしたりとトライしていますが解決には至っていません。しかしながらそれでも試合に勝ちはじめている現実もあるので、なんか不思議な感じですが「より良く」なるための働きかけはし続けます。
守備に関しては狙いどころが絞りきれないため、どうしても「後追い」なディフェンスになってしまいますがそれでもアプローチに行かないとフリーでクロスボールをあげられてしまい
危険です。いくら人数が揃っていてもいいクロスがぴったりと合ってしまったらそれで「終わり」です。だからすこしでも邪魔をしなくてはと遅れているのは承知でアプローチしています。
実際に前の試合(対AZ)では後半びったりと引いたところから守りに入り、もちろん何度か惜しいカウンターの場面はありましたが、それでも何度もフリーでクロスが入るのを見ていて「危ないな」と思っていました。そして残り少ないところで綺麗なヘディングシュートを決められ、その直後に人数はいるにも関わらずゴール前で2対1の場面が出来てしまいゴールされてしまいました。
やはりまずは、ボールサイドのディフェンスが大切でそれに連動してカバーの動きが出すこと。はじめがないと次もなく、結局人はいるのにプレッシャーに入っていない、ということになってしまいます。もう少し粘り強くここに関しては周りに働きかけたいと思っています。
久しぶりに書くといつも長くなってしまいますが中々定期的に書くというのも難しいもので勘弁してください。
6月までの間にとにかくいいプレイと目に見える結果を残して次への扉を開けたいと思います。
それではまた。
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