これは戸田和幸が以前所属していた事務所のホームページに記載されていたコラムです。海外でプレーしていた当時の戸田和幸の気持ちが書かれています。今現在の戸田と照らし合わせながら読んでいただければと思います。
過去のコラムのため更新はありません。

サッカーズについて

2004/04/30

先日日本で発売された「サッカーズ」という雑誌に、僕に対する特集が組まれており現地の記者による分析・サッカーズ自らによる分析が載せられていましたが、残念なことに事実とは違うことが掲載されていて、それによって私自身の印象が損なわれる恐れがあると判断したためここで一部訂正させてもらいたいと思います。

もちろんこれも、私自身の主観によるもので「サッカーズ」の記事も同様のものでありますが実際に起こっていないこと、またきちんと確認をとれていないものをさも「事実」のように掲載されるのはやはり黙っていることはできないので、ここに記します。後はこれを読んだ人がそれぞれ判断してもらえればいいと思います。

では始めますがまず始めにこの記事は現地、つまりこちらオランダの記者が書いていることになっています。それをそのまま掲載したことになりますが、例えば私自身の問題として以前からよく言われている「コミュニケーション」の問題が挙げられています。ここでも例にもれずそのことが書かれています。

そして監督のコメントとして「戸田は英語が殆ど話せないため周囲の選手とコミュニケーションが取れずに孤立している」となっています。私が反論したいのはなぜこの記者がそのコメントを受けて私自身のところに確認に来なかったのかです。

英語が「殆ど」話せないというレベルがどういうものなのか大体想像できますし、皆さんとの間にそうずれはないでしょう。しかし実際に私がどの程度話せるのかを確認することなしに一方のコメントだけで判断してそれを掲載すると言うのは全くフェアではないと思います。

一言私のところに来て実際に英語で話しかけてみる、それだけで済む話です。全く納得がいきません。しかもそのせいで監督の指示が理解できずにいるなどということまで書かれている始末、とても憤りを感じます。

私は一年イギリスで生活をしその後ここに来ています。もちろんオランダ語は全く話せませんしミーティングもさっぱり分かりません。ですから常にその後何を話していたのか選手に聞きますしコーチ・監督にも聞きます。もちろん「英語」でです。

そういうレベルの話をできる英語力を指して「英語が殆ど話せない」といわれれば文句もありません。が、しかしそこにきちんとした「検証」もなく一方的にこういった「ネガティブ」な記事を掲載されてしまってはこうして一つ一つ反論していくしか自分を守る手立てはありません。

大体サッカーをしていて一体どれだけの英語が必要なんでしょうか?ピッチの上で必要な言葉それを確認するための言葉そんなに多くはないのです。またピッチの外でも選手と冗談を言って笑いあい、食事に行き、電話で普通に会話ができればまず十分なのではないかと私は思っています。少なくとも「殆ど」話せないレベルのものではないと思います。

実際に選手との間でディフェンスについての細かい確認の話も一生懸命ではありますがきちんと意思の疎通は取れていますし、コーチともきちんと出来ていました。

よくコーチから、「考えすぎるな」と言われますが、大体「あんまり考えすぎるな」と言われる人間が言葉を話せない、ということにはならないと私は思います。なぜかといえば考えすぎていることを相手が「知って」いるからです。そして何故知っているのかと言えばその間に「コミュニケーション」が存在するからです。

「言葉」についてはこの辺で終わりにします。どちらにせよみなさんは私の言葉を聞くこともできないのでこれ以上言っても仕方がないでしょうから。

次に私がチームに溶け込んでいないということを表すために、このようなことが書かれています。「午前の練習が終わるとすぐに一人でべつの場所に食事を取りに行って戻ってきてそれから午後の練習に加わる」という趣旨のものですがこの文章を読んでいるとチームが2部連(午前と午後の2回の練習)を行う際に練習が終わると直ちに練習場から去り、本来チームで食事を取るべき場所に参加しないで一人どこかで食事をとってからまた午後の練習に参加するという風に読み取れます。

これを読めばとても簡単に私が如何に自分勝手で自分のことしか考えずチームになじんでいないかが分かります。但し全て嘘で作られた話ですが。。。

まず、我々は一日に2回練習はしませんし私がオランダに来てから2部練習はわずかに「2回」しか行っていません。そしてその間の食事はきちんとチームメイトと共にクラブハウスにて摂りました。

問題なのはまず2回練習が日常的に行われているという「嘘」と私が日常的にチームの和を乱しているという「嘘」です。私は練習を一番最初にあがるどこか、毎日必ず一番最後に帰ります。そのことでクレームをつけられたことはありますが一番「始めに」あがって勝手にどこかで食事を摂るなんてことは今だかつて一度もありません。

こんな明らかなる嘘によって作られた文章で自分を批判されることは私は許しません。実際に自分がしたこと、言ったことで批評されることは理解しますが。

事実をもとに批評することは当たり前のことであってそれ自体についてはこのような形で反論することはないと思いますが、全くの嘘でなおかつその人自身を悪く伝えようとするものには断固闘わなくてはなりません、これまでもこれからも。

この記事のなかで行われている私自身のプレイについての批評はその人の主観によって書かれたものであり、それは実際に行われた私自身の「パフォーマンス」を見たうえでのものですから公の場で反論することはありません。人の数だけサッカーの見方も存在するんでしょうから。そういう意見もあるのかと受け止めます。

最後に「データで見る戸田」というページに関してですが、そこで説明されている我々のシステムが全く違うものになっているので、従って以前のワールドカップの時の私の役割と比較するということ自体が成立しません。

何故私自身の特集をわざわざ組んでいただいたのにも関わらずこんなことまで正確に記すことが出来ないのか、頭が痛くなります。

我々が今プレイしているシステムは「4−3−3」であって私はその中盤の右サイドでプレイしています。このシステム自体が始めてですし中盤が3人というのも初めてのことでしたからなかなか苦労しましたし今でも日々理解に努めています。

ざっと挙げてみましたが後はみなさんの判断に任せます。私が本当に「英語も話せない自分勝手な外国人」なのかどうかは。

プロに徹することは大切ですがもちろんその場所のルールもあるので調整は必要であり実際に最初の頃は居残り練習についてクレームを入れられたりもっとみんなと共に同じ行動をと要求されました。

なぜかと言えば我々のチームは練習前も練習後もみんな、なにもしないでピッチに出てきてなにもしないですぐ家に帰るため、練習後にクーリングダウンをし補強運動をして戻ると時としてもう誰も残っていないというときがあるからです。自分の視点から言えばこちらのしていることが当たり前であって「何を言ってるの?」ということになりますがそうは言ってもここはオランダであって、このチームにはこのチームのルールがあるのでしょうから出来る限り合わせる努力はしています。

そういった本来しなくていい努力も含めての「海外」ですから根気強く自分にとって出来る限り最高のものにしようと思います。

長くなりましたがこれで終わりにしますが、今後またこのようなくだらないことでこの場を借りていちいち説明するようなことがないことを祈っています。

それではまた。

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